仕事で疲弊した心が癒える場所 ~私の「心の避難場所」を見つけた話~

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みなさんは「趣味」をお持ちだろうか。

仕事とは、多かれ少なかれストレスを感じるものだ。

毎朝職場へ行き、楽しくもない仕事をこなし、上司の機嫌を伺い、職場の人間関係にうんざりしながらも、次の休みを楽しみに頑張る日々。

最近ではリモートワークも普及してきたが、仕事が楽になるわけではない。いずれにしても収入を得るということはなかなか簡単ではないことを痛感させられる。

自分の興味のある仕事に就ける人は、はたしてどのくらいいるのだろうか。

大体の人は、さほど興味のない仕事を生きるために必死に頑張っているのではないだろうか。

◇私を救った二つの「心の避難場所」

話は戻るが、私には2つの趣味がある

1つ目は、お酒を飲むことだ。

社会人になってからお酒を飲む機会は増えたが、初めてお酒を「楽しむ」ようになったのにはきっかけがあった。社会人になり二年が経過したころ、初めて先輩にバーへ連れて行ってもらったことがそのきっかけである。昭和から数十年続くそのバーは地元ではとても有名で、店構えや雰囲気も良く、何より自分の想像する「本格的なバー」そのものであった。

当然、お酒の種類や味なんてまだまだわからなかったが、カウンターの向こうでバーテンダーがシェイカーを振っているだけでワクワクした。

そこから私はそのバーへ通うようになった。いつも行く曜日がほとんど決まっていたためか、おなじみのバーテンダーができた。その方に色々なお酒の種類や飲み方を教えてもらい、少しずつだが、自分の好みのお酒を理解することができた。

◇一人飲みが広げた世界:新たな出会いと交流

それをきっかけに、ひとりで様々なバーや居酒屋に行くようになった。みんなで行くのも楽しいと思うが、ひとりでカウンターの向こうにいるマスターや、常連さんと話をしながら飲むのもまた面白く、毎週のように飲みに行っていた。

自分で調べて飛び込みで店に入る場合もあったが、多くはマスターの紹介や常連さんの紹介で行くことが多かった。飛び込みで行くよりも、「〇〇さんの紹介で」と一言言うだけで、店のマスターとも話がはずむきっかけになるからだ。

ひとりで行くため、カウンターのある店に行くことが多かったが、店には同じようにひとりで来ているお客さんも多く、誰からでもなく自然に会話が発生した。

そのおかげで仕事以外の知り合いも増え、たまに一緒に飲みに行くような友人にも巡り会えた。

◇30代半ばからのチャレンジ

もう1つの趣味は、音楽活動である。

私は中学生の時にアコースティックギターに出会い、初めて自分の意志で音楽に触れた。後にエレキギターも購入し、特にバンドを組むわけでもなく、自宅でギターに勤しんでいた。

それから約二十年。

まさか人前で演奏する日が来るとは思わなかった

私が初めて人前でギターを弾いたのは、30代半ばになってからだ。

それこそバー巡りをしていたら、常連さんに音楽バーを紹介してもらったことがきっかけだ。マスターはもちろん、そのバーの常連さんのほとんどが楽器を演奏する方で、そのバーでは頻繁にライブが行われていた。

マスターと一緒に行った常連さんと三人で話をしている中で、少しギターをかじっていることを話すと「じゃあ次のライブ出てみたら?」と誘ってくれた。

私は人前に出ることが好きではなかった。正直、今でも別に好きではない。

いつもだったら断っていたと思う。ただ、その時は誘ってくれたことが嬉しかったし、せっかくなので、人生経験と思って出ることに決めた。

思い返すと、今まで逃げてきたり避けてきたことに対して、初めて自らチャレンジした瞬間だったと思う。

初めてのライブはもちろん緊張もしたし、うまく弾けない部分もあったり、自分よりずっと年下の子がすごくかっこいいパフォーマンスをしていたりと、緊張と恥ずかしさでいっぱいだったが、大きな達成感と、またライブやってみたいと思う心が芽生えた。

そこから年に数回ライブに出させてもらったり、弾き語りに挑戦したりと、30代半ばにして様々な新しい経験を積むことができた。今では年齢も性別、仕事のしがらみなど全く関係のない音楽仲間ができた。

◇「心の避難場所」の重要性

社会人になると、どうしても仕事が中心となり、そこに時間が割かれてしまう。

中には家に帰っても仕事のことを考えてしまう人もいるだろう。

ただ、仕事のことばかりだと滅入ってしまうし、悩んだり落ち込んでしまうことだってある。だからこそ、自分が自分を出せる場所上下関係や仕事のしがらみのない人と人で話ができるスペースを作ることがとても大切だと私は思う。

私自身、上司からのパワハラがあっても前を向けたのは、それら「心の避難場所」があったからだと思う。そういう意味では、人に恵まれたのかもしれない。

バーや居酒屋に一人で行くのは緊張するし、もちろん最初はなかなか馴染めなかったが、何度も行くにつれ自然と話せるようになる。何か自分で変化を起こさなければ、現状は変わらない。黙って待っていても変化は起こらないし、逆に言うと、自分の行動で小さな変化は生み出せる。それを継続すると、新しいことにチャレンジするきっかけができる。チャレンジする決断をすると、また新しい変化が起こる。

30歳半ばから新しいことに挑戦できたことはとても幸運だったし、少しの勇気と行動で変化を生み出せた。

もしこれを読んでいる人で、新しいことに挑戦したい、状況を変えたいという人がいたら、私は応援する。きっとできると思う。

もし、あなたが挑戦した姿を笑う人がいても、全く気にする必要はない。あなたの人生であり、笑っているヤツらの人生ではないからだ。そんな人間の顔色をうかがったり、そいつらのせいでやりたいことを遠慮する必要はない。

自分の心のために、今からでも「心の避難場所」を作ってみませんか?

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